白昼夢

非日常的空間に背をそむけるわけでもなく。

時の流れ

 

あの日は鬱陶しいぐらいに 青い空だった

それが怖くて 逃げ出したくて

僕は あの川へ向かって走った

冷たく 濁った あの川へ

 

あの日は鬱陶しいぐらいに 暑い夏だった

それが怖くて 逃げ出したくて

僕は あの川へ向かって走った

暗くて 光が届かない あの水の底へ

 

青い空も 暑い夏も 

もう全部に嫌気がさしていた

全てが腐りだしていた

 

僕は自分を愛せなくて

でもみんなには好きになってもらいたくて

すれ違う心と心が擦り切れて

息をするだけで 精一杯だった

 

僕は あの川へ走り出していた

母と父のお墓が見えるあの川は

何故か無性に 心が落ち着いた

 

揺らぐ 蜃気楼

 

僕は 平気でいます

 

揺らぐ 蜃気楼

 

僕は ここにいます

 

入道雲立つ青空

 

僕は 川の水に浸かりながら

死を感じて 未来を見つめていた

 

僕は今 平気でいます

 

今年も 青い空と暑い夏が 

過ぎていく